Last Updated on 2026年5月5日
ジェイソンとの電話の後、しばらくそんな話をした事も忘れていた、ある日の事。
ツアー中のジェイソンからLINEがきた。
ジェイソン: 斗亜、純二からメッセージの返信あったよー!僕たち色々話してメッセージやり取りしてるんだ!僕、日本のレジェンドと友達になっちゃったー!
斗亜: へー、そっかそっか。良かったね。(外人パワーというより、ジェイソンも世界を股にかけて演奏してるベーシストだもん、そりゃ、すぐ連絡も取れるよね)
※外人パワーとは…
ジェイソンがよく使う表現で、外国人特権(外国人で日本のルールが分からないから特例的に許して貰える)のこと。
例えば、家電量販店でiPadペンシルを買うが、世代違いで互換性がない時、パッケージは開けてしまった、日本人なら諦めて新しい世代のものを黙って買うが、ジェイソンは諦めない。『間違えました。僕、バカ外人です。返品交換オネガイシマス。』と可愛くお願いする作戦だ。この戦法でいつも成功しているらしい…
10月埼玉の実家に帰っていて、ジェイソンと夜都内でリハーサルがある日があった。ジェイソンがリハーサル前に、純二と会う事になったから一緒に行こうよ、と誘ってくれた。
ジェイソン: 大丈夫、斗亜が純二のスーパーファンって事は秘密にしといてあげるから、ウインク、ウインク。
って…笑
御茶ノ水のDr.Soundで純二さんと待ち合わせ。秋なのに真夏の太陽がギラギラ、御茶ノ水駅から歩いて5分ほどの場所だったけれど、ジェイソンと2人、汗だくで到着した。
純二さんは先に着いていて、もう店長の小林さん(めちゃくちゃシュールで面白い人)とバンジョーを弾いていた。ジェイソンは待ちきれないとばかり、挨拶もそこそこケースからコントラバスを取り出して、昔からの知り合いかの如く、一緒に弾き始めた。ジェイソンは日本に一緒に弾ける人(ジェイソンの音楽が分かる人)とあまり出会えてなくて楽しそうに弾いていた。純二さんもジェイソンのベースに楽しそうに応えていたのを遠目に私はファミリーマートのカフェラテを飲みながら眺めていた…。

オールドタイム、ブルーグラス、あっという間に2時間程たった。
純二さん: 君、そのケースはフィドルかな?何弾くの?
ジェイソン: ウインク! ウインク!
斗亜: アイリッシュを勉強してます。まだ始めて日が浅いですが…
(赤面…ドキドキ)
そこから、拙すぎるフィドルで2人に加わり、速くなると破綻し玉砕という流れを繰り返しながらも必死に2人について弾いた。そりゃあ楽しくって、純二さんとジェイソンを独り占めしてる喜びとともに、今日という日まで沢山練習する時間があったのにチンタラ怠けてきた自分を責めた。こんな日が突然やってくるんだから、やっぱり日々の練習は大切だ。
どんなに願っても、実力以上のチカラは発揮出来ないのだから…
2人と対等に遊べるくらい弾けたら楽しいだろうな…
しばらく雑談をはさんで、ジェイソンはすっとぼけて言った。
ジェイソン: そうだ、純二。斗亜は歌も歌うんだよ。
斗亜: (首を横に振る)
ジェイソン: ウインク!ウインク!
斗亜: (これだから海外の人は…積極的すぎるのよ。涙 )
腹をくくった私は、ディアドラ先生から褒められたMy Morning Dewをシャンノースで歌った。ドキドキして声が震えたけど、それが味になった…(いや、なってない)
途中、2階から従業員さんが血相変えて降りてきたから歌っちゃいけないのかとハラハラした。
無事歌い終えて、ひと息ついて
純二さん: 斗亜さん、凄くいいじゃない!ニーム・パーソンって知ってる?君の歌を聴いて、彼女の歌を思い出したよ。
斗亜: (感無量…勿体ないお言葉)
ジェイソンも満足げにドヤ顔してた
ありがとう…ジェイソン
いつも助けてくれて
それから、純二さんはオススメの動画をあれこれ見せてくれた後、君にはきっとこの歌があうよ、と、”Fear a’ Bhata”を歌うニームの動画を流してくれた。静かな悲しみと決意のようなものを感じた歌声だった。Blackbirds & Thrushesのアルバムは持っていたけれど、The Wounded HuzzarとThe Flower of Magherallyしかきちんと聴いたことがなかった。この曲も入ってたんだな…知らなかった。
歌っている姿をみたのも初めてだった。すごくいい…
あっという間に時間は過ぎて5時間ほど経っていた…。
リハーサルの時間もせまり、純二さんとLINEを交換して、小林さんと名刺交換し、名残りおしくもジェイソンと2人、御茶ノ水を後にした。
(御茶ノ水 Dr.Sound 3に続く)